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医療法人高仁会
高根耳鼻咽喉科医院
茨城県水戸市泉町3丁目7-1

アレルギー性鼻炎について

アレルギー性鼻炎にはスギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤなど季節性のある抗原に対する季節性アレルギー(通称 花粉症)と、ハウスダスト、ダニなど一年を通じて存在する抗原に対する通年性アレルギー鼻炎があります。初めて花粉症を発症するとき、そのほとんどの方は突然発症します。去年まで全く問題なかった方が突然、くしゃみや鼻水に襲われます。

患者様がどれくらい花粉症の症状に悩まされているかを把握し、患者様それぞれのライフスタイルに合わせて治療方針を考えています。


治療の選択肢

花粉症・アレルギー性鼻炎の治療には様々な方法があります。

1、2の治療を中心に、症状や重症度に合わせて3、4、5の治療を並行して行います。 

 

1、抗原の除去と回避(原因物質を浴びないようにする)

アレルギーとは、特定の物質(抗原)に対して免疫を介して排除しようとする体の働きのことです。ですから自分が何に対してアレルギーを持っているかを調べて、出来るだけ浴びないようにすることが最も大事です。

例:スギ花粉に対して花粉眼鏡をかける、マスク装着、玄関に空気清浄機を設置 etc


2、薬物治療

通常、アレルギーの治療といえばこれを想像する方が多いと思います。自分の周りから全ての抗原を除去することは難しいので、多くの方はお薬を使用します。今は色々なタイプの薬があり、服用回数や形状(粒、粉、シロップ、貼り薬、点鼻薬など)、運転の可否など様々な要素から選ぶことができます。医師と相談して自分の症状と生活スタイルに合った薬を選びましょう

特に花粉症の場合は本格飛散が始まる1週間前を目安に予防投与を始めると良いでしょう。

 

3、免疫療法(体質改善)

薬物治療は起きてしまったアレルギー反応(症状)を抑える治療ですが、それに対して免疫療法は体質を改善して症状を起こしにくくする治療です。皮下免疫療法と舌下免疫療法の2種類があります。現在は通院のしやすさ、侵襲の低さから舌下免疫療法が中心に行われています。当院でも新規で免疫療法を始める場合は舌下免疫療法を行っています。いずれも数年かけて徐々に効果が現れ、治療終了後も数年~十数年効果が持続します。

*スギの舌下免疫療法は花粉症の時期には開始できません。ダニの舌下免疫療法はいつからでも始められます。

 

4、手術治療

上に挙げた治療でも効果が不十分な場合には手術の併用を検討します。アレルギー性鼻炎の手術は大きく①下鼻甲介の鼻粘膜を変性させるもの、②鼻腔形態を改善させるもの、③神経を切断し鼻漏分泌を抑えるもの、に分かれます。同じ①②③のカテゴリーの中にもいろんな術式があり、それぞれ目的、コスト、リスクなどが異なります。どの手術が一番適しているかは人によって変わってきます。手術をご検討されている方は医師にご相談下さい。


5、注射、点滴治療

鼻アレルギー診療ガイドラインに記載のある注射薬にはゾレア(生物学的製剤、抗IgE抗体)、ノイロトロピン(生物抽出製剤)、ヒスタグロビン(非特異的変調療法薬)の3つがあります。当院では重症アレルギーの方を対象にゾレアの投与を行っています。投与までにいくつかの検査、条件を満たす必要があるためゾレアの使用をお考えの方は花粉シーズン早めにご相談下さい。

初期療法

初期療法の効果・利点

症状が出る時期を遅らせることができます
症状を軽くさせることができます
症状が終わる時期を早めることができます


花粉が飛散する前から治療を開始する方法です。

花粉を繰り返し浴びて鼻の粘膜が過敏になると、ごく少量の花粉でも強い症状が現われるようになり、薬を適切に使っても改善させるのは徐々に困難になってきます。

そこで、症状が出現する前から薬を服用して、鼻の粘膜が過敏になるのを抑え、症状をコントロールしやすくする初期療法が行われます。


初期治療の開始時期

初期療法の開始時期は、飛散開始予測日の1~2週間前頃が望まれます。

関東地方の飛散開始予測日が毎年おおよそ2月中旬ですので、基本的には1月末から2月初旬の間に初期療法を開始するとよいでしょう。